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日本エコツーリズム協会
村上 正剛(ゴールドコースト) 11月

12月11月10月9月8月7月


【11月】

「土ボタル」を巡って

 今回は、前回、夜のパトロールの様子をレポートしましたスプリングブルック国立公園のナチュラルブリッジに関わる問題のいくつかをレポートします。

 クィーンズランド州では、個人で国立公園を訪ねても無料ですが、商用で国立公園を利用する場合には、州環境省の許可が必要となります。特に観光客の多いナチュラルブリッジでは、その許可の中に各ツアー会社が、一晩に何人までお客さんを連れてこられるかが規定されています。問題の一つ目は、その人数の割振りについてです。現在、その割振りが不均衡で、ある会社は100人以上連れてこられるのに、ある会社には数名分しか許可が出ていません。その為、割当て人数が少ないツアー会社からは、不平が出ています。現に、割当てをもらえなかった現地ツアー会社と州環境省との間で、裁判沙汰にもなっています。

 もっと割当て分を増やして欲しいツアー会社がある一方、許可をもらっている人数枠が余っているツアー会社もあります。そこで、許可を得ている会社間では、自社の使わない空き枠分をお互いに融通しあうことが、原則となっております。しかし、実際には、競合他社に、自社のもっている許可人数枠分を、渡さないことも起こっていて、ツアー会社間で摩擦が発生しているようです。
 また、個人客のマナーの悪さも大きな問題の一つです。公園の入り口で、レンジャーが注意事項を伝えているのですが、やはり、中には、洞穴の中で、タバコを吸ったり、懐中電灯を直接「土ボタル」に当てたりするマナーの悪い訪問者もいるようです。もちろん、その現場をレンジャーが見つければ、罰金等の取締りを行なうことはできるのですが、レンジャーは常駐していませんので、取締まるのにも限界があります。

 更に、現在、ツアーでの訪問者は、川に下りることは許可されていませんが、一方、個人での訪問者にはそのような規制はありません。その為、川で遊んでいる個人の訪問者たちを見て、ツアーでの訪問者が「自分たちは許されてないのに不平等だ」と、快く思わないことも起こっています。
 これらの個人訪問者の問題解決方法の一つとして、旅行業界の方から、「他州のように個人客からも入場料をとるべき」との提案が出ています。しかし、クィーンズランド州としては、国立公園は、州民のものであり、彼らの支払う税金の中に、公園を利用する権利分も含まれているという考え方のようです。

 最後に、現在、ナチュラルブリッジ・エリアではオーバーユース(過剰使用)の問題が懸念されています。今後、このエリアの利用に関わる規制強化の問題も含めて、激しい議論が起こりそうです。
 このように綺麗な「土ボタル」を巡って、その裏では解決すべき様々な問題があります。自然保護地域での持続可能な旅行業を実施することの難しさを感じさせられます。

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ナチュラルブリッジエリアの渓流
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ツインフォール滝(スプリングブルック国立公園)
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観光客で混雑するナチュラルブリッジのインフォメーションセンター
 
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ナチュラルブリッジエリアの絞め殺しのイチジク
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スプリングブルック国立公園の遊歩道
 
 
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パーリングブルックの滝(スプリングブルック国立公園)

  

  

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村上 正剛(ゴールドコースト) 10月

12月11月10月9月8月7月


【10月】

ナイト・パトロール

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(写真上:昼間のナチュラルブリッジ)
 ゴールドコーストから内陸に40kmほど入った所にあるスプリングブルック国立公園のナチュラルブリッジの洞穴では、夜、通称「土ボタル」が見られます。「ホタル」と言っても、実際は、ハエのような昆虫の幼虫で、英語では「グローワーム(光るミミズ)」と呼ばれています。こう言うと、わざわざ見学に来る人は減りそうですが、それはさておき、ここは、ゴールドコーストからの人気ツアーコースになっています。特に、日本の方には人気で、見学者の8割位は日本人のようです。更に、ジャパン・ツーリズム・ゴールドコーストの調査では、パッケージツアーでゴールドコーストに来られた日本人観光客の半数以上は、「土ボタル」ツアーに参加するというデータも出てます。
 このように、ナチュラルブリッジは、ゴールドコースト周辺の国立公園の中でも、最も訪問者の多い所なので、レンジャーが夜、見回りをしています。今回は、そのパトロールの様子についてレポートします。


夕方、スプリングブルック国立公園のメインオフィスから通常2人一組で、ナチュラルブリッジへパトロールに出発します。
 日暮れ前に、現地に着くとまず、土ボタルのいる洞穴まで続く遊歩道を、ゴミを拾いながら歩きます。また、柵や歩道が壊れていないか、斜面や岩壁で崩れかかって危険な箇所はないかもチェックします。特に、遊歩道付近に、枯れていたり、枝が折れかかっている木がないかを調べ、あれば、その木にマークを付けて回ります。後日、レンジャーがその木や枝を取り除くことになっています。

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(写真上:スプリングブルック国立公園のレンジャーステーション(メインオフィス))


 一通り見回りが終わると、ナチュラルブリッジの待機小屋で、夕食をとりながら、今晩は、どこのツアーが何人お客さんを連れてくる予定か、その人数が各ツアー会社に割り当てられている人数の範囲内か、範囲以上の場合は、どこのツアー会社から、割当て人数分を借り受けているのかをメインオフィスに問い合わせます。
 夕食後、小屋を出ると、日もすっかり落ちていて、小屋の周りには「土ボタル」でない本物のホタルが舞い始めていました。
 遊歩道の入り口のインフォメーション・センターで待機していると、6時頃から続々とツアーバスが到着し始めます。「土ボタル」ツアーでは、お客さん10人に対し、ガイドを最低1人つける事が義務付けられています。レンジャーは、ガイドに、連れているお客さんの数の報告を求め、実際にお客さんの数とガイドの数を数えます。ツアーバスの合間に、ツアーでない個人の訪問者も断続的に来ますので、その方たちには、土ボタルを見る上での注意事項、例えば、洞穴ではフラッシュをたかないこと、懐中電灯を直接土ボタルに当てないことなどを伝えます。

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(写真上:スプリングブルック国立公園のバラック(簡易宿泊施設))
  

 9時半過ぎには最後のグループが到着し、その人数チェックが終わると、遊歩道を通常の訪問客とは逆ルートで回ります。その中で、ツアー客や個人の訪問客が、正しく土ボタルを観察しているか、洞穴の中は混雑しすぎてないか、遊歩道を外れて歩いてないか、などをチェックします。その後、夜道をメインオフィスまで戻り、10時過ぎ、パトロール終了となります。

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(写真上:インフォメーションセンター内の解説板)

 

次回は、このナチュラルブリッジ・エリアをめぐる諸問題についてレポートします。


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(写真上:ナチュラルブリッジ入り口のインフォメーションセンター)


2007年10月 
村上正剛(むらかみ せいごう)

※日本人レンジャーのレポートは毎月更新していきます。
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村上 正剛(ゴールドコースト) 8月

12月11月10月9月8月7月


【8月】

ボランティア大活躍


 前回も少し述べましたように、こちらでは、レンジャーのサポートとして、ボランティアをとても有効に使っています。

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(写真上:ボランティアさんだけで運営されているバーレーヘッズ国立公園のインフォメーションセンター)

 

 具体的なボランティアの仕事内容の一部を紹介しますと、レンジャーが、公園内外でアクティビティを行なう際、必ずボランティアをサポートに呼びます。 そして、例えば、夜、公園内を歩いて動物を見つけるアクティビティでは、レンジャーが先導して、解説をしながら動物を探して歩いている時、ボランティアの人は、列が長くなりすぎないように気を配りながら、参加者の列の一番後について歩きます。また、子供達にいろいろな動物を見せ、実際に触らせるアクティビティでは、台上のレンジャーの話とタイミングを合わせて、会場の子供達の所を、動物を連れて歩き回ります。

 

 また、場所によっては、国立公園のビジターセンターの運営をすべてボランティアでやっている所もあります。そこでは、全体的な管理はレンジャーがやるものの、日常的な運営は、ボランティアさんが、事務的な処理からお客様への案内まですべて行なっています。そこで働くボランティアの皆さんは、国立公園のある所の地元の方ばかりですので、遠く離れた所にいるレンジャーより、うまくお客様への案内できることもあります。

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(写真上:ポッサムの赤ちゃんの世話をするボランティアさん)

 

 その他、コアラ病院では、獣医さんを助けて、病気や怪我をした動物達の世話をしているボランティアさんもいますし、親を亡くした動物を自宅で預かって世話をするボランティアさんもいます。さらには、コアラ救急車にレンジャーと同乗して、出動していくボランティアさんもいます。

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(写真上:コアラ病院)

 

 このように、ボランティアさん達が活躍できる裏には、ボランティア活動のための整った仕組みがあります。ボランティアを採用の際、その活動の中で、子供を扱う機会がある場合には、ボランティアといえども、オーストラリアで規定されている子供を扱うための資格(通称「ブルーカード」)の取得を求めますし、採用決定後には、きちんと書面で環境省との合意書にサインを求めます。その合意書の中には、必ず出席しなければならないミーティングや、最低でも採用後1年間はボランティアを続けなければならない事などが規定されています。その後、導入研修や定期ミーティングが行なわれ、その中で、レンジャーから、施設や設備の適切な使い方を徹底して習います。実際、レンジャーの中には、ボランティア上がりの人も多く、ボランティア活動で培った知識や経験は、彼らにとってとても大きいもののようです。採用されたボランティアは、ボランティアリストに登録され、サポートが必要な時に、過不足なく配置できるようレンジャーが管理しています。

 

次回、このボランティアの仕組みについて、その問題点も含めて、もう少しレポートしたいと思います。

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(写真左:コアラ救急車)

2007年8月 
村上正剛(むらかみ せいごう)

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村上 正剛(ゴールドコースト) 9月

12月11月10月9月8月7月


【9月】

ボランティアの仕組みについて

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今回は、前回、前々回と述べてきましたレンジャーの活動を支えるボランティアさんのモチベーション(参加動機)とボランティア活動に関する問題点についてレポートします。


(写真上:コアラの朝ごはん)

ボランティアさんには、その参加動機により、大きく分けて3種類の方がいます。

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 一つ目は、ワーク・エクスペリエンス(就労体験)としてボランティア活動に参加している方々です。これは、特に若い学生さんに多く見られ、ボランティア活動を通じて知識やスキルを身につけ、将来は、レンジャーも含めた自然を相手にした職業に就こうと考えています。現に多くのレンジャーはボランティア経験者です。

 二つ目は、年配の方で、純粋に退職後の余暇の充実のためにボランティアをやっている方たちです。普通のサラリーマンであった方でも、趣味を通して得た知識やスキルを使って、独自の自然講座(バードウォッチングなど)を開いているボランティアの方もいます。
三つ目としては、オーストラリアでは、退職後、ボランティアであっても働いている方用に、通常の年金とは別に政府から年金のようなものが支払われますので、それを目当てにボランティアに参加される方です。このように3つのモチベーションを挙げましたが、皆さんに共通する一番のモチベーションは、「自然が好きであること」に間違いはないと思います。(写真上:ワラビーの赤ちゃん)

 QPWSでは、そのボランティアさん達にポロシャツやバッヂ、ワッペンなどを支給していますが、それらは、彼らのモチベーションを保つために大変役に立っているように見えます。支給している物は、どれも大して高額なものではないのですが、こういうちょっとしたものが、ボランティアさんにとっては、自分たちの存在が認められた証のようなもので、皆さん嬉しそうに受け取っていきます。(写真:ボランティア用ポロシャツ)

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 一見、全てうまくいっているように見えるボランティアの仕組みですが、いくつかの問題もあります。前回、ボランティアだけで運営されているインフォメーション・センターを紹介しましたが、時には、当番のボランティアさんが来れなくなることもあり、レンジャーとしては、他のボランティアさんに急遽、交代での出勤を強要することもできず、やむなく、インフォメーション・センターを休みにしなければならない時もあります。また、ボランティアさんも長く活動をされていると、いろいろ要求や主張することも多くなり、若いレンジャーが管理しにくくなることもあります。特に、QPWSの活動方針等を変えようとする時などは、古くから活動されているボランティアさんから強い拒絶反応が出てくることもあります。他にも、縦割りのレンジャーの組織のために、ボランティアの活用が非効率になることもあります。例えば、同じようなアクティビティの内容を、異なったレンジャーの部門(レンジャーの仕事割りについては前々回参照)でやっている場合、ボランティアさんをうまく両方の部門で共用できればいいのですが、部門間の壁により、うまく活用できないこともあります。(写真:アクティビティ用品棚)

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以上のように、こちらのボランティアの仕組みも決して完璧ではありませんが、日本のボランティア活動よりは概して、仕組み的にしっかりしており、見習うべきところも多いように感じています。

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(写真上:ジュニアレンジャーがもらえるワッペン)


2007年9月 
村上正剛(むらかみ せいごう)

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村上 正剛(ゴールドコースト) 7月

12月11月10月9月8月7月


【7月】

オーストラリアでパークレンジャー開始!


 2007年の7月から、子供の頃からの夢だったオーストラリアでのパークレンジャー生活が始まりました。真新しいレンジャーのユニフォームに袖を通しながら、楽しく色んな事を学ぼうとわくわくしながら初日を迎えました。

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 私の配属されたチームを紹介するために、簡単にクィーンズランド州のレンジャーの組織を説明します。

 まずは、地理的に州内が、北部、中部、南部の3つの管轄地域に分かれています。私が所属するのは、州都ブリスベンや、日本人観光客の多いゴールドコースト等が含まれる南部です。
次に南部の中でも、国立公園(あるいは保全地域)の中で主に仕事をするパーク部門と、公園外に主な活動の場を持つコンサベーション部門とに分かれています。私は、パーク部門に属します。
そのパーク部門の中でも、仕事内容により、主に2つに分かれていて、公園内のメンテ、補修工事を行なう「フィールド・レンジャー」と公園内の標示や看板を作成したり、地元コミュニティーにインタープリテーション(自然解説:以下インプリ)を行なったりする「インプリ・レンジャー」がいます。私は、インプリ・レンジャーのチームに入っています。

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 私のメインオフィスは、ブリスベン南部のデイジーヒル保全公園(通称:デイジーヒル・コアラ公園)にあり、ユーカリの木々に囲まれていて、デスクの窓のすぐ外をワラビーが跳び回り、オフィスの中ではコアラが歩き回っているような所です。

 この恵まれた自然を活かして、仲間のインプリ・レンジャー達は、小学生や中学生を対象とした自然解説プログラムを提供したり、大人も含め地元の方を対象に、夜の動物探しツアー等のアクティビティーをやったりしています。

 前述したコンサベーション部門でも同様のアクティビティを行なってますが、彼らは、彼ら自身が、地元の学校やコミュニティセンターなどに赴いて、地元に棲息する動物についての解説や自然を守ることの大切さなどを啓蒙しています。

 レンジャーの提供するアクティビティには、本物のコアラや蛇、トカゲなどを使った地元の動物の解説や、ユーカリの木々などの説明を受けながらレンジャーと一緒に森を散策するもの、自然の大切さを知ってもらうための人形劇などがあります。

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 同様のアクティビティは、日本でもいろんな公園や保全地域などで行なわれていますが、それと比較してみて、印象としては、こちらのレンジャーも日本のインタープリター(自然解説員)も解説スキルや知識については、あまり変わらないように感じます。人によっては、日本のインタープリターの方が、解説スキル的にも知識的にも上かも知れません。

 ただ、こちらの方が明らかに優れていると感じたのは、そのシステムです。小中学生相手のアクティビティでは、アクティビティの内容が、学校の授業とリンクしてます。また、どのアクティビティもレンジャーだけで行なうことは無く、ボランティアの方がいつもレンジャーをサポートしています。
 日本でもオーストラリアでも、有給のレンジャーやインタープリターの人手が限られている状況は似たようなものなので、このボランティアを非常にうまく利用したシステムは見習う所が多いと思います。これは、私にとって、今後の学ぶべきのテーマの一つとなりました。

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2007年7月 
村上正剛(むらかみ せいごう)

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