西オアフに見られる古代ハワイアンの史跡 ディズニー・ホテル「アウラニ」(下写真)が脚光を浴びてから、コオリナのある西オアフにもだいぶん人が行くようになりました。でもほとんどの人はコオリナまで。そこから先は、レンタカーかバスを使わないと行かれないのと、観光地としての魅力もいまいち、あるいは治安の問題などもあってか、訪れる人が少ないのです。
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ナナクリ、ワイアナエ、マカハのビーチ沿岸沿い(下写真)から、マカハ渓谷まで古代ハワイアンの史跡やヘイアウ、ペトログリフ(岩絵)などがかなり残されている上に、伝説を継承するハワイアンも多く、実を言うと大変勉強になるところ。今回は、そこを高校時代の同級生であり、日本でクムフラとして大活躍のクウレイナニ橋本さんなどと一緒に訪れました。

一番行きたかったのは、マカハ渓谷(下写真)の中にあり、ハワイでも保存状態が大変いいという「カネアキ・ヘイアウ Kaneaki heiau」だったのです。この辺りはマカハでもセキュリティーが非常に厳しい「マウナオル・エステイト Maunaolu Estates」という中にあって、入口の門は、セキュリティーに身分証明書を見せてOKがでなければ開かないという安全性がもっとも高い所。

ところが、事前に電話してみると、「もうだいぶん前から閉まっていて入れない。」というではありませんか。でもWEBサイトで調べても、クローズしていることは書かれていません。英語のフェイスブックに、ここを訪れたら、セキュリティーの門前に「Heiau Closed」サインがあり、入れなかったというコメントをようやく見つけましたが、やっぱり現地に行ってみるしかない。
というわけで、ポイプ湾の岬の先端にあり、航海の無事を祈願したり、航海術を教える場所であった「クイリオロア・ヘイアウ Kuioloa Heiau」と、ナナクリのビーチに昔からある、石が並んだ謎の「ウレハワ(ウレハヴァ)史跡 Ulehawa Historic Site」(下写真)、そして古代ハワイアンの兵士や犬のペトログリフ(岩絵)が現存する「マウナ・ラヒラヒ Mauna Lahilahi」と呼ばれる70メートルほどの山に行き、ついでに「カネアキ・ヘイアウ」が開いていたらラッキーと思うことにしました。
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静かなポイプ湾が眺められるクリオロウ・ヘイアウ(下写真)では、クウレイナニさんにヘイアウ前で、チャントを詠唱してもらい、古代ハワイアンに挨拶してから入ったところ、現地ワイアナエの先生が、何人かの生徒を案内しレクチャーしている所に遭遇。
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しばらくお話しを聞くことができ、またワイアナエ地区のハワイアン文化や歴史を継承している団体も分かり、非常にラッキーでした。男性王族の場所であるヘイアウの一番高いプラットホームに立つと、紺碧の海から柔らかな風が吹いていてとても爽やか?!!。ヘイアウの多くは渓谷内にあり、蚊に悩まされるのですが、ここは真っ青な海とさわやかな風をうけて最高の場所にあります。
なぜ蚊が多い所にヘイアウが多いのか疑問でしょうが、昔はハワイには蚊がいなかったのですよね。白人がやってきて、万病のもとである蚊も連れてきた・・・そして、多くのハワイアンが犠牲になったのです。白人が来る前の蚊がいない頃は、山の中のほうが涼しく避暑地としても最適だったのでしょう。
さて、白い石が楕円状にしきつめられたウレハヴァ史跡(下の写真1枚目)は、15世紀から18世紀のハワイアンの史跡であるとは書かれているものの、調査はこれかららしく、そこの碑(下の写真2枚目)にも詳細はなく、「ホノルル市所有の場所であり、破壊行為を行わないように」と書かれてありました。ここもまた潮騒が聞こえるハワイらしい場所にある遺跡として、大事に残していきたいと思った次第。
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遠くから見ると、とんがり帽子のマウナ・ラヒラヒ(写真4)は、登山道にはいる門が閉まっていて入ることができませんでしたが、門の間から中を覗くとさびれていて、あまり手入れがされているような感じではなく、ペトログリフがどうなっているかちょっと心配・・
帰りにマカハ渓谷の奥にあるカネアキ・ヘイアウによりましたが、門番のセキュリティーの話では「石垣の崩れと、破壊行為でヘイアウが壊され、1年以上前から閉鎖されたままになっている。」とのこと(下写真)、遠くからでもいいから中に入って拝ませてもらえないかという希望もかないませんでした。
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機会があれば、今回お会いしたワイアナエ・コミュニティーのハワイ文化や歴史の存続のために働いているNPO財団の方々にお会いしてもっと詳しく聞きたいと思いました。こういった財団があることが分かっただけでも、今回の散策は有意義なものとなりました。
今岡千草
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