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Home エコツーブログ 地域情報(海外) 陸貝の歌と呼ばれたカメハメハ3世の夏の離宮(ハワイ)
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エコツーブログ

陸貝の歌と呼ばれたカメハメハ3世の夏の離宮(ハワイ)

テーマ: 地域情報(海外)
2015年07月29日|

★ハワイからの記事です。

ハワイには色々なトレイルがありますが、長時間歩くのはという方にも30分でハイキング気分を味わってもらえる場所をご紹介します。ヌウアヌのペトログリフがあるアラペナ滝やカペナ滝もその1つですが、今回はハワイ王朝夏の栄華跡
場所は、ヌウアヌ・パリ・ドライブ途中の水道局ビルディングから100メートルほどカイルア方向にいった所で、サインもないので、誰かに連れて行ってもらわないと入口が見つかりにくいという難点があります。道路の路肩に車を停めて、21・00とかかれた小さなサインが見つかったらシメタもの。その傍の竹やぶの中に小さな細い道があるのです。この入口からハイキングはスタートします。

hawaii imaoka 20150729 03Trail entrance

トレイルの入口は左に見える数字のサインが目印


竹やぶを10分ほど歩いて、まずはルアカハ滝(Luakaha Falls)を目指します。まっすぐに竹やぶを進んでいくと、ハイキング道はひんやりしてさわやか。赤腹色鳥の美しい鳴き声がひびきわたります。

ヌウアヌ(Nuuanu)とは Nuu=高い場所 anu=涼しいというハワイ語で、涼しい高地を歩くのでとってもさわやかです。雨が多く枯れた笹の葉で覆われた道がぬかるんでいることもあり、滑らないようご注意ください。途中は、竹林がせり出し、水道管が見えたり、倒木が道をふさいでいたりします。


竹林を歩いていて、ハワイの竹の節は日本のと比べると長いと言うことを指摘してくれたのが、高校時代の友人で、フラの先生として日本で活躍しているクウレイナニ橋本さんでした。彼女は竹をみるなり、「なるほど、ハワイの竹じゃないと、プイリがうまく作れないわけだ。」といって説明してくれました。プイリというのはフラで使われる2つで1つのペアになっている竹製のたたいて音をだす楽器で、これを使ってフラを踊ります。

hawaii imaoka 20150729 07hawaiian bamboo
これが節目間が長い、ハワイの竹。
hawaii imaoka 20150729 08nice bamboo trail
こんな竹林道を歩きます。

hawaii imaoka 20150729 10puili
ハワイの竹でつくる楽器「プイリ」。

古い水道管が道をふさいでいるのを跨いで進んでいくと、先日の大雨と風で大きな木が倒れトレイルをふさいでしまっています。枝と枝の間をなんとか通り抜け、川のせせらぎがはっきりと聞こえると、あっという間にルアカハ滝に着きます。

hawaii imaoka 20150729 04trail with waterpipe
ルアカハ滝に行く途中にある水道管のパイプ。これをまたがないといかれない。


hawaii imaoka 20150729 05Luakaha falls


hawaii imaoka 20150729 06Luakaha falls stone emmas swimming place
ブロックがきれいにおかれた滝の上で、たぶんここで水遊びをしたのでは


ルアカハ滝の上は水が溜まるように人工的にブロックを置いた感じできれいに石が並べられていて、昔カメハメハ4世の妻であるエマ王妃が沐浴を楽しんだ場所だったというのもうなづけます。そして緩やかな小さな滝がいくつも重なり長い滝になっています。

さてこの滝を見終えたら、5分ほどもと来た竹林道を戻ります。すると右側にもう1つ上にあがるトレイルが見つかります。ここを進んでいくと5分ほどで、今回のハイライトカメハメハ3世とその妻カラマ王妃のサマーパレスの跡が出てくるのです。竹林から分かれた道は木の根が張り出している緩やかな登りで、すぐに苔むした石垣が右手に見えます。この辺り一帯は、薬草で治療したり、ヒーリングを行うヘイアウ(祭壇)だったところで、リラックスする場所という意味の「Luakaha ルアカハ」と呼ばれていました。

その後カメハメハ大王が戦争で傷ついた兵士を休ませたところとして有名になり、またここから貝がとれたため「Kaniakapupu カニアカププ」(Song of the land shells 陸貝の歌)とよばれるようになったとか。ハワイ王朝のカメハメハ3世は、リラックスできるパワーを持つこの聖地ヘイアウ跡にサマーパレス(夏の離宮)を建築、1845年に完成させ「カニアカププ」をそのままサマーパレス名としました。

hawaii imaoka 20150729 01kaniakapupu 1

石造りの離宮は、西洋の影響をうけ1階建ての大きな部屋と、それを取り巻くポーチで造られ、すぐそばに石造りの厨房や、わらぶき屋根の家々があったようです。当時7月31日がハワイの主権回復の祭日で、1847年の4回目にカメハメハ3世は外国の貴賓や知事の方々、そして庶民にいたるまで1万人以上を招いて「ルアウ」と呼ばれる宴会をここで開催したことが石碑に残されています。

hawaii imaoka 20150729 02kaniakapupu 2

当時のルアウのことを書いた資料を参照すると、豚271頭、塩魚3125匹、新鮮な魚1820匹、鶏602羽、牛3頭、4000個のタロイモ、82羽の七面鳥に数々の果物・・・とにかくすごく豪華なルアウだったようです。
そしてこの辺り一帯に一万人も集まったということですから、周りの木立のあたりが大きな広場になっていたのでしょうか。この建物は避暑地として数十年使われたということですが、今では石造りの壁は崩れ、当時の面影は夢のまた夢・・・美しい緑にかこまれたサマーパレス跡と、人もはいらないジャングル内の滝という2つの物言わぬサイトが、実は昔の栄華の中心で、しかも今でも道路のすぐそばにあり30分ほどで回れるけど、あまり知られていないっていうのが信じられません。

今岡千草

 
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